エンジニアが絶賛したレコーディングスタジオ
お客様データ概要
お客様名 | レコーディングスタジオ T'sミュージック様 |
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用途 | レコーディングスタジオ |
建物構造 | 鉄筋コンクリート |
施工エリア | 東京都 |
防音室を作ったきっかけ
ゲームソフト効果音で業界4割のシェアを持つ「T’sミュージック」様。1989年の会社創立以来18年間、西五反田で音作りをなさっていました。しかし建物は住居用のマンションだったため、大きな音を出すと上下階に響いてしまい苦情が来ることもしばしば。特に6年ほど前から苦情がひどくなってしまったことがきっかけです。賃貸マンションなので住人も時々変わり、時には神経質な方が入居なさることもあって神経をすり減らしていました。
一方業績は好調で注文も途絶えません。また、海外企業との業務拡大計画もあり、この場所でのレコーディングに限界を感じるようになりました。そこで、音漏れでまわりに迷惑をかけないような新しいスタジオを別の場所に作ろうとお考えになりました。
お客様の要望
最近のゲーム効果音では「ウーハー」と呼ばれるズシンと響く重低音が主流になっています。そういった音も自分のスタジオで時間を気にせずにレコーディングしたいというご希望がありました。そのためには、ウーハー、サラウンド、映像を確認しながら音をつけていけるシステムなど、一流のスタジオ並のハイスペックな機材を入れる必要があり、そういった本格的な機材を使用しても音が漏れない高いレベルの防音性能を確保する必要がありました。
レコーディングスタジオのレンタルを行っている音響制作会社もありますが、T’sミュージック様は100%自社でご使用なさるということで、細かい部分まで自分たちの思い通りの仕様にしたい、と性能面にもデザイン面にもこだわりをお持ちでした。
解決方法
移転先のビルへお邪魔し、まだスケルトンの状態で通常お客様が出されている音をそのまま出してもらって周波数ごとの音圧レベル測定を実施。相当な音圧レベルで上階にある美容院からクレームが来てしまうほどでしたが、測定結果をもとに最適な防音計画をたてました。
お客様のご希望に合わせて一つ一つ仕様を決めていく中で、「消音空調」と「高性能の防音扉」については強くご提案をいたしました。
「消音空調」とはエアコンのダクトに消音装置を付けた仕様で、非常に音が静かなのが特徴です。通常のエアコンだと吹き出し口から出る音をマイクが拾ってしまうため、録音する時には夏場でもエアコンを消さなくてはいけませんが、消音空調を採用することでエアコンをつけたまま業務ができるので作業効率が良く、エンジニアの方が音作りに集中できる環境を実現できると思ったからです。
「防音扉」は、D-35程度の遮音性能のものが一般的なのですが、敢えてD-40の高性能の防音扉をご提案しました。スタジオのすぐ隣が打合せスペースというレイアウトでしたので、スタジオ内で大きな音を出していても気にせず打合せができるよう、防音壁と同等の遮音性能の扉をご提案いたしました。
どちらも、ご予算を少し上回ってしまうものでしたが、投資価値のある設備だと判断、採用していただくに至りました。
ご成約
様々な角度・視点からご提案をさせていただき、
お客様のご要望通りの性能・プランでのご成約となりました。
実施設計開始
施工担当者からのコメント
以前のスタジオで苦情があったご経験から、遮音性能値の確保は最優先課題でした。ご予算との兼ね合いで、どこを削り何を優先させるかをお客様と一緒に考えながら決めていきました。
パンチカーペットなどもお客様に選んでいただきました。カーペットやフローリングの深い茶色が重厚感あって、品格の漂う素敵なスタジオに仕上がったと思います。
これからもこのスタジオからカッコいい音を生み出していってください!