今日は「旅の日」♪ 芭蕉の句に思いを馳せて、音環境を考える
早くも夏を思わせるような日が多くなってきましたね。
本日5月16日は「旅の日」なんだそうです。ご存知でしたか?
かの松尾芭蕉が奥の細道へと旅立ったのが旧暦3月27日。現在の暦では、本日5月16日にあたる、ということで 「日本旅のペンクラブ」が1988年に定めた日。
忙しい現代生活の中で「旅の心」を大切にし、旅のあり方を考え直す日だそうです。
松尾芭蕉と言えば、誰もが知っている有名な俳句をたくさん残していますね。
せっかくなので、いくつかおさらいしたいと思います。
よろしければ、おつきあいください♪
- ・古池や 蛙(かわず)飛び込む 水の音 五月雨(さみだれ)を あつめて早し 最上川
- ・牛部屋に 蚊の声暗き 残暑哉 閑(しずか)さや 岩にしみいる 蝉の声
芭蕉は、音を感じさせるような句もたくさん残していますね。
それも、どちらかというと賑やかな音ではなくて静寂。
蛙が池に飛び込む音や、蚊の羽音など、小さな音を強調することで、周りの静かな様子が際立って表現されていると思いませんか?
ところで、「静か」ってなんでしょう。
「静かさ」の基準は、45デシベル以下だといわれている
芭蕉の時代と違い、現代は様々な音で溢れかえっています。
- ・車や電車の音、カフェのBGM、自転車のベル、繁華街の喧騒
- ・校庭ではサッカーの練習
- ・マンションのチャイム、テレビの音
- ・大好きなアーティストの曲
- ・掃除機や洗濯機といった生活家電の音、などなど。
近年は、住環境を中心に「静かさ」を求める傾向が強くなっていることは、みなさまよくご存じですよね。
ここで、改めて、日常生活での音の大きさの目安をまとめてみました。
人によって、音の感じ方はさまざまです。
同じ場所でも、ある人にとっては静かに感じられ、別の人には、うるさく感じられることもありますよね。
そのため、人の感覚に頼らず客観的に判断する為に、音の大きさを数値で表しているのです。
一般的に「静か」と感じるのは45デシベル以下だと言われており、国や自治体により、さまざまな「音」に対する規制があります。
住宅地と商業地、昼間と夜間、などの条件の違いで、出せる音の大きさの基準が細かく定められているんです。
こうした音の大きさを測定することは、専用の機材があれば誰でも可能なのですが、都道府県から特定の認可を受けている事業者は、測定の結果を、正式な報告書として提出することができるのです。
この報告書は裁判資料としても有効な、公的なものとなります。
認可を受けた事業者は「計量証明事業者」と呼ばれます。
では「計量証明事業者」はどんな測定をしているのか、代表的なものをいくつか簡単にご説明しますね。
例①マンションの隣戸間測定(遮音性能測定)
お隣の音がどのくらい聞こえますか?という測定です。
部屋で出した音の大きさを、壁を隔てた隣の部屋でも測定して、どのくらい遮断されているのかを計測します。
※関連キーワード 「音圧レベル差」「D値」)
マンションの上下階測定(床衝撃音測定)
上の住人の方の足音や、椅子を引く音が聞こえますか?という測定です。
「バングマシン」「タッピングマシン」という専用の機械を使用して、実際に床を打ち、下の部屋で床衝撃音を測定します。
※関連キーワード 「軽量衝撃音」「重量衝撃音」
例③家の外からの音の測定(騒音測定)
窓から外の音がうるさく聞こえますか?
マンションのエレベーターの音が部屋の中まで聞こえていませんか?などの測定です。
※関連キーワード 「N値」「NC値」「室内騒音レベル」「遮音等級」
一言で「測定」と言っても、いろいろな種類があるんですね。
音以外にも、空気や水の成分の濃度を測定したり、なんてこともあるのですが、それはまたの機会にご紹介しますね
芭蕉が聞いた池の音、現代だったら聞き逃していたかもしれないですね。
環境スペースも、もちろん「計量証明事業」の認可をいただいておりますので、毎日さまざまな測定と向き合っています。
マンションにお住まいの方は、まずは管理会社へご連絡していただくのが良いと思いますが、気になることなどがございましたら、お気軽にご相談くださいね。