クラシックやオペレッタも?誰もが聞いたことがある、運動会のアノ曲の正体
近所の小学校が賑やかです
どうやら、今週末の運動会に向けての全体練習が大詰めのようです。
そういえば、昭和生まれの私が子どもの頃は、運動会といえば秋!だったのですが、春の運動会もすっかり定着してきましたね。
秋はまだまだ残暑も厳しいため、熱中症も心配ですし、文化祭や合唱コンクールなど、ほかの学校行事も目白押し。
受験準備に入る学校もあるなどの理由で、春の開催が普及してきたと言われていますね。
新入学、クラス替えでの新しいクラスメイトと団結力を強める絶好のイベントになっているそうですよ。
お父さんお母さんより上の世代の方が子どもだった頃の競技種目は、徒競走やリレー、玉入れ、騎馬戦などが、いわゆる「花形」でした。
しかし最近は、順位を競う種目よりも、ダンスのようなアトラクション的な要素の強いものや、みんなで盛り上がれるような内容が多くなってきていますね。
「デカパン競走」「後ろ向きリレー」「四方綱引き」「移動玉入れ」・・・
名前を聞いただけでも楽しそうですね!
ところで、運動会でかかっていた曲、といってみなさんが思い浮かべる曲は何でしょうか?
定番曲と言われる曲には、クラシックの管弦楽曲や、オペレッタ(「喜歌劇」とも言われます)の楽曲が多いんです。
例えば、『天国と地獄』(オッフェンバック)
よく聞く場面:競技中
カステラ一番、電話は二番~♪でおなじみのアノ曲です。
オペレッタ「地獄のオルフェ」の劇中曲ですが、このオペレッタ、元々はギリシア神話の悲劇を元にしたオペラのパロディで、『天国と地獄』は追いかけっこをする場面で使用されていました。
軽妙な曲調がぴったりですね。
『トランペット吹きの休日』(ルロイ・アンダーソン)
よく聞く場面:競技中。
「休日」という割にはとても忙しい曲調なのですが、このトランペット、実は軍隊のラッパなんですって。
進軍ラッパ吹きが、「休みの日くらいは自分の好きなラッパを陽気に楽しく吹きたい!」という気持ちが込められているそうですよ。
『剣の舞』(ハチャトゥリアン)
よく聞く場面:競技中
旧ソ連時代に作られたバレエ「ガイーヌ」の劇中曲。
クルド人が剣を持って出陣の舞をする場面の曲だそうですが、「ガイーヌ」完成当初はこの場面はなく急遽追加したため、ハチャトゥリアンは徹夜で曲を完成させたと言われています。
慌ただしい雰囲気はそのせいかも?
『軽騎兵序曲』(スッペ)
よく聞く場面:開会式
南ドイツを舞台とした、軍人たちの華やかな生活を愉快に描いた、オペレッタ「軽騎兵」。その序曲として演奏された曲です。
冒頭のトランペットのファンファーレがとても厳かで、開会式などで聞いたことがあるのではないでしょうか。
『星条旗よ永遠なれ』(スーザ)
よく聞く場面:入場行進
アメリカの作曲家スーザは、生涯に138曲もの行進曲を作曲し、「マーチ王」とも呼ばれています。
特に吹奏楽部出身者なら誰もが口ずさめるのでは?(私も、小・中・高とお世話になりました♪)
華やかな行進曲ですが、実は悲しいエピソードがあるのです・・・
1896年、スーザの吹奏楽団のプロデューサーを務めていた、友人でもあるブレークリー氏が亡くなりました。
演奏旅行中だったスーザは訃報を聞き、急いで帰ってくる船の中で追悼の曲を書き上げ、NYに到着後すぐに楽譜にしたのがこの曲だそうです。
沈んだ曲調にすることなく、行進曲で弔うなんて、スーザらしいのではないでしょうか。
『見よ、勇者は帰る(帰りぬ)』(ヘンデル)
よく聞く場面:表彰式
音楽劇「マカベウスのユダ」という、古いユダヤの歴史上のできごとに基づいた、英雄の物語の中の曲です。
劇中でも、凱旋したユダを民衆が称える場面で歌われています。
明治初期に、イギリスの陸軍楽隊隊長が日本の軍の音楽隊に伝え、その後海軍の運動会で演奏されたのがきっかけで、日本国内に広まっていったそうです。
今では、「表彰式の曲」といえばこの曲以外に思い浮かばないくらい、定番となっていますね。
ではなぜ、全国各地で同じような曲が同じように使われているのでしょうか。
それは、運動会の曲として集めたレコードが、全国の小・中学校に普及したからだ、という説が有力だそうです。
場面にマッチする曲を探したり選んだりするのは、当時の関係者にとってさぞかし大変な仕事だったでしょうけれど、そのおかげで、こうしてしっかり私たちの記憶に刷り込まれているんですね。
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