休業要請中の今だからこそ。映画業界初のスーパースターのお話。
環境スペースは、音にまつわる様々なお仕事をいただいています。
個人のお客様のピアノ室やドラム室といった防音室にフォーカスされることが多いのですが、実は商業施設などの防音・音響のお仕事も多くいただいています。
例えば、ライブハウス
レコーディングスタジオ
ダンススタジオ
映画館
などなど。
つい先日も、完成したばかりの映画館のお仕事に関わらせていただいたのですが、残念ながらオープンが延期となってしまいました。映画業界も大変厳しい現実に直面しています。
今日はそんな映画界から、少しでも明るく楽しい話題をご提供すべく、20世紀最大の映画作家であり「喜劇王」と呼ばれた「チャップリン」についてのお話です。
喜劇王 チャールズ・チャップリン
折しも4月16日は、チャールズ・チャップリンの誕生日。
ハリウッドで映画を製作していたのでアメリカのイメージが強いのですが、チャップリンはイギリス生まれ。両親も芸人だったこともあって、幼い頃からショービジネスの世界を身近で見ていました。
ある日、チャップリンの母はショーの途中で声が出なくなってしまいました。急遽母の代役を務めることになったのは、何とわずか5歳のチャップリン。幼いながらもしっかりと観客を楽しませたそうで、この頃からすでにコメディの才能があったのでしょうね。
その後、ロンドンを中心とした劇団で舞台俳優として活躍していたチャップリンは、21歳の時にアメリカに渡り、その活躍の場を銀幕に移すこととなったのです。
ここでチャップリンがこだわったことは「どの映画でも同じキャラクターでいること」でした。
そう、山高帽にちょび髭、ステッキを構えたお馴染みのあの姿です。<
1914年(チャップリン25歳の時)に公開された映画「ヴェニスの子供自動車競走」という作品で初めて披露され、トレードマークとして認識されていきました。
その後チャップリンは精力的に映画の製作も行い、俳優としてだけでなく、名監督としての名声も手に入れていきます。
「黄金狂時代」「独裁者」「モダン・タイムス」「ライムライト」などなど・・・。
若い方でも、タイトルくらいは知っているのではないでしょうか。
そんなスーパースター、チャップリンにまつわるちょっと面白い話があるのでご紹介したいと思います。
■相撲観戦のおかげで暗殺を免れた
チャップリンが初めて日本を訪れたのは、1932年5月14日。
日本史に詳しい方なら「5・15事件の前日」と言えばピンとくるのではないでしょうか。
「5・15事件」とは、政治に不満を持っていた青年将校らが、当時の内閣総理大臣である犬養毅を暗殺した、歴史的な事件です。実はこの日、本当ならチャップリンと犬養は面談するはずでした。そしてチャップリンもこの暗殺計画のターゲットの一人だったそうです。
というのも、当時の日本は国内外に様々な問題を抱えていたにも関わらず、市民は海外のスターに熱狂して浮かれていました。国が大変な時なのに何て呑気に呆けているんだ、と、そんな風潮を許せなかった将校たちは、その元凶であるエンターテイナーもろとも葬ろうと企てていたのです。
ところが。
何とチャップリンは、犬養との面談を急遽キャンセル。その理由は「相撲観戦がしたかったから」。
おお・・・
気持ちは分からなくもないですが(笑)、一国の首相との面談をキャンセルとは・・・。さすがとしか言いようがありませんね。
ただ、そのおかげでチャップリンが暗殺を免れたことは紛れもない事実。事件発生当時は、相撲観戦後のお散歩を楽しんでいたのだそうです。平和だ・・・。
■自分のモノマネ大会にこっそり参加した
チャップリンの映画が大ヒットしたせいで、チャップリンのモノマネも当時大流行していました。
そんな中、サンフランシスコの劇場で開催されていたモノマネ大会に、チャップリンは自分の正体を隠してこっそり参加したんだそうです。
映画でお馴染みの衣装とは違う格好をして、メイクもしていなかったことから、周りの誰からも本人と気づかれることはありませんでした。
気になるその結果は・・・なんと「2位」。本人なのに!!
そっくりさんに負けてしまうなんて、何ともコメディアンらしいエピソードですよね。
そんなユニークな逸話のあるチャップリンですが、仕事に対しては実に生真面目で完璧主義者だったと言われています。
映画業界の黎明期を支え、今なお私たちの記憶に残り続けている、世界的なスーパースター。
最後に、映画「ライムライト」の中の有名な一節をご紹介したいと思います。
「薔薇は美しく咲くのではない。
一生懸命咲いているから美しいのだ。」
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