自宅をライブ配信スタジオに!動画・音楽配信のオススメの防音対策
「夜中にライブ配信をやりたいけど、近所迷惑になったらどうしよう?」
「動画や音楽の撮影・配信をしたいのだけど、周囲の騒音をマイクが拾っちゃう!」
そんなお悩みはありませんか?
今回の記事では、「自宅をスタジオにして、ライブ配信する際の防音対策」について説明します。
この記事はこんな方におすすめ!
- ・自宅で思いっきりライブ配信をしたい人
- ・視聴者と一緒に騒いで楽しみたい人
- ・家の周りの騒音が気になって撮影に困っている人
この記事を読めば、「周囲の騒音が入ってきてライブ配信ができない」「音漏れで近所に迷惑がかかる」「夜はライブ配信をしにくい」といったお悩み解決に役立ち、これまで以上に時間帯を気にせず配信や撮影に集中して取り組むことができます!
最も効果的な対策は自宅スタジオの防音工事
最も効果的な対策は、自宅に防音工事を施したライブ配信スタジオを作ることです。
なぜなら、音だけでなく、音に伴う振動などの対策も含め、完璧な防音対策ができるからです。
例えば、以下のような対策がバッチリとれます。
- ・建物の躯体から防音室を浮かせて、振動を伝搬させないような構造に設計可能
- ・音が抜ける場所(空調・照明・電源等)の抑制処理ができ、高い遮音性能の確保が可能
- ・オーダーメイドなので、元々のお部屋の広さや間取りに合わせて自由に設計
以下では、もう少し詳しく音について解説しながら、防音対策の説明をしていきます。
一般的な防音対策では3種類の音を防げない!?
そもそも、動画や音楽、ライブ配信のときに悩まされる音は大きく3つの種類に分類できます。
- ①生活騒音の悩み
- ②外部騒音の悩み
- ③音漏れの悩み
それぞれについて解説していきましょう。
①生活騒音の悩み
洗濯機を回す音、掃除機をかける音、食事を作っている音、食器洗いの音、子供が走り回る音など、挙げだすとキリがない程に家庭内で生活音は響いています。
お子さんのいる家庭なら、「ママ遊んで~」と、ライブ配信中に飛び入り参加してくる子供もよく目にします。
見ている方は、微笑ましく思っているかもしれませんが、配信している側は気が気でない時もあるのではないでしょうか?
個室があってドアを締めるだけでは生活音を防ぐことはできません。仕事の集中を妨げます。
②外部騒音の悩み
外部騒音は以下のもので、外から自宅に入ってきます。
- ・近所の工事の音
- ・電車や車の音
- ・救急車のサイレン
- ・近所の学校のスピーカーの音
- ・子供の遊び声
③音漏れの悩み
ご自宅でライブ配信では、知らず知らずのうちに声が大きくなります。
複数人でのライブ配信だと、言葉のやり取りも必要ですので、余計にうるさくなるでしょう。
窓やドアからでは、音漏れを防げません。
実際のところ、吸音材を貼る程度の対策では、気休め程度の効果しかないこともまた事実です。
以下では、簡単な防音対策では音漏れを防げないことを説明しますね。
手軽にできる防音対策
お手軽にできる防音対策としては、身の回りにある段ボールなど手軽に手に入るものを使う方法と、吸音材を使用する方法があります。
詳細については、下記をご覧ください。
①身の回りの物や安価な物でできる対策
身の回りの物や安価な物でできる対策を4つ御紹介します。
パソコン周りに段ボールを取り付ける
段ボールを加工して、パソコンやスマホカメラ周辺を覆ってみましょう。
ライブ配信時に発せられる音や、キーボードのタイピング音などを軽減することができます。
②カーテンを閉めて、周囲をマスキングテープで固定
窓は必ず閉めておきましょう。
外部からの音の侵入を防ぐだけでなく、配信時の声や音楽が外に漏れることも防いでくれます。
その上で、カーテンを締め、さらにカーテンは隙間ができないように伸ばし、周囲をマスキングテープで貼りましょう。
ガムテープなどの粘着性のあるテープは、カーテンや壁に粘着質が残るので、マスキングテープや養生テープがオススメです。
ホームセンターなどで数百円で売っています。
二重に音を遮断させることで、さらなる防音効果が期待できます。
パーテーションで覆って簡単な個室を作る
パーテーションで覆うことで、簡易的にはなりますが個室を作ることができます。
音を遮るだけでなく、視界からも余計なものを遮ることができるので、集中力も高まります。
パーテーション個室をさらにカーテンで覆う。
上記のパーテーションで作った個室の外側を、さらにカーテンで覆うことで、防音対策の効果は高まります。
例えば、部屋の中のライブ配信スペースを、カーテンで仕切ってしまいましょう。
突っ張りポールや突っ張り棒をつかってカーテンをひき、その内側にパーテーションで覆った個室を設置することで、2重の防音効果が期待できます。
注意点
しかし上記対策では、空気中の音波を遮る「遮音」の効果があるものの、周囲を密閉しているわけではないので、音漏れ対策や振動対策の効果としては薄いことを予めご了承ください。
②吸音材を使用した対策
「吸音」とは、音が素材を通過するときに、摩擦による音エネルギーを熱エネルギーに変換されることを指します。
そして吸音材とは、音が入り込む隙間が設けられており、この隙間内で摩擦を引き起こし音エネルギーを減衰させる素材のことです。
吸音材については、Amazonなどで検索しても沢山の種類が出てきますが、今回はホームセンターでも購入できて、効果が高いと思われる商品を3つご紹介します。
尚、これらの素材は「吸音」の効果はありますが、音が消えるわけではないことを予めご了承ください。
ウレタンスポンジ
ウレタンスポンジは、吸音効果の高い素材です。
ハサミやカッターなどで簡単に切ることができ、表面が平らなものからより吸音効果の高い凸凹のあるタイプがあります。
壁や音の反響しやすい箇所に貼り付けると良いでしょう。
グラスウール
グラスウールは、断熱材として建築物に使用されることが多い素材ですが、吸音材料としての効果も発揮します。
ウレタンやロックウールに比べると吸音効果は若干劣りますが、コストパフォーマンスの良い素材です。
パンチングボード(有孔ボード)
穴の開いたボードです。
よく小学校の音楽室や放送室で使われているので、見た覚えのある方も多いのではないでしょうか?
空洞に穴が開いた形の構造(共鳴器)に音を当てることで、穴の部分の空気が激しく振動し、周辺との摩擦熱として消費されます。
パンチングボード(有孔ボード)のみでは、単純に穴の開いたボードですが、ボードの背面に吸音材や閉じた空間を作ることで効果が発揮します。
パンチングボード(有孔ボード)は特に低音域に対して優れているので、上記のウレタンスポンジやグラスウールと組み合わせて使うと良いでしょう。
注意点
①で紹介した対策法の中には「遮音」に近い対策法もございますが、大きな効果としては期待することが難しく、②の「吸音材」を使用することに関しても、使用する量により効果も変動します。
よって、これらの方法は防音対策としての効果はもちろん期待できますが、大きな効果としての期待は薄いものになることをご理解ください。
手軽にできる防音対策として、①身の回りの物や安価なものでできる対策 ②吸音材を使用した対策 を御紹介しました。
効果の高い防音対策とは、「遮音」+「吸音」が組み合わさって初めて効果が期待できます。
組立式防音室の落し穴
「組み立て式の防音ボックス」は防音室を御自身で組み立てられるものです。
金額については様々ですが、平均7万円~12万円あたりが相場と思われます。
当然ながら、防音工事をするよりも予算が安価で済みます。
ただし、デメリットも多く存在します。
- ・規格品なので、サイズや形が決まっている
- ・自室に置く場合、デッドスペースができる
- ・デザインも決まっており、自室の雰囲気と合わない可能性がある
- ・狭い。体を使うようなライブ配信には不向き
- ・防音時は部屋を締め切る必要があり、換気ダクトがあっても暑苦しい
- ・テーブルが付属しているものもあるが、耐荷重が低いので物を置くときは注意が必要
- ・総重量が重いので、一度組み立てると、移動が大変
組み立て式は防音室は、防音工事と比較すると予算が安価というメリットがありつつも、デメリットもあります。
防音工事(リフォーム)事例を紹介
防音工事とは部屋をリフォームして、防音室にすることです。
Box in Box型防音室といって、躯体から防音室を浮かせることで、振動を伝達させないような構造となります。
防音工事(リフォーム)のメリットとしては、オーダーメイドとなりますので、部屋の広さや形状に合わせて施工が可能です。
さらに、完成時に遮音性能の保証が付くことが多いです。
防音室と聞くと、「気密性が高く、窓もない密室」というイメージがあるかもしれません。
しかし施工業者と相談し、窓を残して、陽射しが入る明るい雰囲気の部屋にリフォームする事例もあります。
また、ライブ配信だけでなく、テレワークや映画鑑賞、楽器演奏やカラオケなど他の目的にも流用しやすいです。
デメリットとしては、上記の組立式防音室を購入するよりも、費用がかかります。
費用はかさみますが、それ以上のメリットが感じられるのも防音工事の特徴の1つです。
弊社の事例をいくつか御紹介しましょう。
クラリネット室(小野寺 様)
築50年の御自宅にクラリネット室を作った小野寺様。
組み立て式の防音ボックスの検討もしましたが、家が古いこともあり、防音ボックスの重量に床が耐えられずに抜けてしまう心配があったことから、新たに防音室を作ることに。
防音ボックスだと、窓のない密室がほとんどですが、防音工事(リフォーム)だと窓を残しながら防音室を施工するといった御希望に添うこともでき、とても明るい部屋に仕上げることができました。
防音スタジオ(野中“まさ”雄一 様)
AKBの作曲やアレンジで有名な野中様。
防音工事をする前(引っ越し前)は、自宅兼仕事部屋で作曲活動をされていたそうですが、当時の防音対策は、壁をグラスウールで簡易防音しただけでした。
仕事部屋でマイク録音をしていたそうで、救急車が通ってダメになったり、子供の遊び声でダメになったり、反響音が入ってダメになったりとトラブルが多かったそうです。
そこで新しく家を建てて、防音室を作ったことで、音を鳴らした状態でも外には全く音が漏れていない状態になったそうで、大変気に入って頂けました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
YoutubeやTikTokなどSNSを使ってライブ配信を行う人が近年増加しています。
コロナ禍で自宅にいる機会が増えたのも要因の1つでしょう。
現在、自宅をスタジオにして配信を行う人も急増しています。
その時に問題や悩みの種となってしまうのが、『音』です。
- ・大きい声や音を出してしまうと近所迷惑
- ・マイクが外部の余計な音まで拾ってしまう
- ・気が散って仕事ができない
今回の記事では、自宅をライブ配信スタジオにされている方へ向けて、防音対策をご紹介しました。
数ある防音対策の中で、最も効果のある防音対策は、防音工事(リフォーム)であることを知っていただけましたら幸いです。
その他にも、以下のような防音対策をご紹介いたしました。
本日ご紹介した内容
- ・身の回りの物や安価な物でできる対策
- ・吸音材を使用した対策
- ・組立式防音室
ご自身の状況にあった防音対策を、ぜひ実践してみてください。