TEMPOLOGY vision Vol.17 「SoundScape より愛をこめて」内容をご紹介 第三弾 | 防音室・防音工事は環境スペースにお任せ|サウンドゾーン

TEMPOLOGY vision Vol.17 「SoundScape より愛をこめて」内容をご紹介 第三弾

(2024/07/25)

TUTTO BUONO

第二弾
特集 環境スペースプロジェクト
インタビュー

取材【TUTTO BUONO】
×
環境スペース株式会社

環境計量士 杉山操
&
Design/設計 竹田直紀


2024年6月30日に発行された冊子 一般社団法人テンポロジー未来機構 TEMPOLOGY vision Vol.17 「SoundScape より愛をこめて」。

この特別な一冊に収められた記事を公開中!前回は教会をイメージしたホール【Ebila Hall】をご紹介いたしました。

今回は第三弾として、当社併設スタジオをモデルにした【TUTTO BUONO:トトボーノ】と、その音響効果の特集です。

TUTTO BUONO

TUTTO BUONO

– TEMPOLOGY vision Vol.17 「SoundScape より愛をこめて」抜粋


今回ご紹介する空間はピアニスト、チェリストの兄妹オーナーが地域の人に使って欲しいとマンション建替え時に1階に作った音楽サロンTUTTO BUONO(埼玉県さいたま市)。問い合わせを受けた後にチェリストである妹さんが、当社恵比寿スタジオ「EBISUTA」で演奏会の練習をするという偶然があり、「ここと同じホールを作って欲しい」というご依頼をいただきました。

TUTTO BUONO併設の大滝弦楽器
 
2022年に完成したホールは最大客席数35席とコンパクトながら、音響だけでなく、照明にもこだわりがあり、鍵盤に影が映らず、演奏しやすいと好評です。またバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの専門店・大滝弦楽器を併設しています。
「音楽空間を作る際には施主と耳合わせという作業をします。施主、関係者一同が目指す 音が実現できるかどうか、感覚を合わせる作業ですが、それがぴたりと合った。ホール名はイタリア語ですべて良しという意味です。」
TUTTO BUONOのエントランス
TUTTO BUONOの反響板
生演奏の場合、後方上向きの音が吸収・拡散されてしまうため、反響板を設置して豊かな音響を実現しています。
TUTTO BUONOの音響パネル
背面の縦のスリットの奥には、計算された空間が設けられています。音が吸音、反射され美しく聞こえるように設計されています。
TUTTO BUONO

TUTTO BUONOのモデルとなったスタジオ「EBISUTA」とは?

EBISUTA
当社の1階にある、2019年にオープンしたスタジオ兼音楽ホールです。ここでは、遮音性や音響効果の体験をすることができます。
音の波長には、「半波長の位置で床や壁、天井や家具などにぶつかると、その波長が倍音で反射する」という特性があります。
EBISUTAの天井には、レゾネーターと呼ばれる吸音反射体が設置されていて、特定の周波数帯を吸収するため吸音体や、傾斜付きの多角形の拡散体が施されています。
低音の残響が長いと心地よくない音になりやすいので、そうならないように特定の周波数帯を天井壁に仕込んだ吸音体で吸い、中高音は逆に拡散体によってあちらこちらに音を散らばらさせながら残響時間を伸ばすと、心地良い音になりやすい、という設計にしています。
壁面の音響パネルも、レゾネーターと同じような効果があり、TUTTO BUONOにも設置されています。 オーナーの大瀧様が気に入り、そのままデザインにしたいとおっしゃったEBISUTAについてもっと詳しく知りたい方は、無料で音響体験やご相談ができます。お気軽にお問い合わせください。
EBISUTA
EBISUTA
EBISUTAは音響イメージを数値化できる環境で、さまざまな楽器やオーディオ機器を持ち込んでいただき、どこの周波数帯をどのぐらいにしたいなどの具体的な希望をお伺いできます。たとえば中高域の残響を増やしたいとか、残響時間を長くしたいとか、低音域をどうしたいかなどを、数値と感覚両方で体験できる、一つのモデルケースです。
「TUTTO BUONO!すべてよし」をめざして
TUTTO BUONO受付
今回、広報担当は「TUTTO BUONO」への取材にも参加させていただきました。
TUTTO BUONOに着くとまず、素敵なアクアブルーの受付カウンターや魅力的な絵画が目に留まりました。 オーナー大瀧様のセンスが光ります。
(素晴らしいのは音だけではない…!)と期待してホールにお邪魔すると、参考にされたという弊社スタジオと同じ、反響板や音響パネルが。
TUTTO BUONO
デザインは確かに似ていますが、部屋の寸法や、建物自体の材質、細部はもちろん違います。TUTTO BUONOオリジナルの寸法や材質に合わせて施された音響設計の効果は、EBISUTAとはまた一味違って絶妙です。 床材には音をクリアに反射する硬質なカリン材を使用し、天井は拡散効果を持つテクスチャーのあるパターンが、見た目もエレガントでした。
バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの専門店・大滝弦楽器
大瀧様には、弊社の営業、設計、制作担当者全員と心地よいコミュニケーションを取っていただいており、また、現在お住まいのご自宅についても、弊社が防音工事を担当しています。
今回の取材も快くご承諾いただき、お人柄の良さに触れて、心温まるひとときを過ごさせていただきました。
大瀧様の感覚とホールづくりに関わる方々の技術が相まって、関係者全員が一斉に「良い!」と感じる音を生み出すことができたのだと思います。
後に教えていただいた「TUTTO BUONO」という名前の由来についてのエピソードには、思わず笑顔がこぼれました。
音楽を愛する素敵なご縁に感謝し、「sound scapeより愛をこめて」お送りいたします。 – 環境スペース株式会社 広報担当
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【お客様の声】TUTTO BUONO

【第一弾】TEMPOLOGY vision Vol.17 特集 Felice音楽ホール

【第二弾】TEMPOLOGY vision Vol.17 特集 Ebila Hall

テンポロジー未来機構とは

テンポロジー未来機構は、都市、建築、ファッション、アート、デザイン、テクノロジー、エンタテインメントの各分野を横断的・複眼的に眺め、分析し、課題の抽出にあたってきた創設 25 年になる会員制の異業種交流団体である。2016 年から再開した紙媒体制作で、世の中を横断的・ 複眼的な見方で問題を探り、解決の糸口を見出すべく場の提供を目指している。

Vol, 17 企画内容

Vol.17 では、ストレス多い日々の健やかに過ごすに重要な要素とようやく捉えられるように なった「音・音響・音環境」について丸ごと一冊取り組む。 個人宅のピアノ室からプロユ ースの音楽スタジオ・音楽ホールまで、「音」 の専門家として、『防音・騒音対策』、『残響調整』 を行い、『快適な音場環境づくり』をプランニングする環境スペース(株)の仕事に焦点をあて、 人間が生活する上で欠かせない「SOUND SCAPE―音の風景」を読み解く。

ページ構成
■Cover Story:森田恭通(グラマラス代表) GMOグローバルSTUDIO
■「ドイツ音環境の現状」 服部 圭郎(龍谷大学教授 ベルリン工科大学客員教授)
■「音環境の成熟が示す未来の風景」 嶺島 伸治 (環境スペース株式会社 代表)
■「SOUND SCAPEデザインの可能性」 斉藤 尋己 (Sound Scape デザイナー/アーティスト)
■Session:「音環境の民主化を目指して」 若杉 浩一 (武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科教授) × 嶺島 伸治 (環境スペース代表)
■TEMPOLOGY Scape:アップリンク吉祥寺 シネマ・チュプキ・タバタ 平塚 千穂子
■Session:「人の五感に影響を与える映画館づくり」 浅井 隆(アップリンク代表) × 嶺島伸治(環境スペース代表)
■寄稿:「映画と音について思う 二、三の事。」 高崎卓馬
■「『聞き入る文化』の創造をめざして 」 上田 渉(株式会社オトバンク 代表取締役社長)
■文化の発信地 IDÉAL TOKYOに見る 音響と空間デザイン:小泉 裕 × 分林 実芳子
■環境スペースプロジェクト
 取材「Felice」 × 環境スペース株式会社 Design&設計 竹田直紀
 取材「TUTTO BUONO」 × 環境スペース株式会社 Design&設計 竹田直紀
 取材「Ebila Hall」 × 環境スペース株式会社 環境計量士 杉山 操・Design&設計 竹田直紀
■Session:「FENDER FLAGSHIP TOKYOとKEF Music Galleryにおける音の工夫」 アストリッド・クライン マーク・ダイサム 久山幸久(KDa) × 嶺島伸治(環境スペース代表)



               
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