木造建築の防音性について | 防音室・防音工事は環境スペースにお任せ|サウンドゾーン

先日、数年ぶりに蔵前に遊びに行ったのですが、ずいぶんおしゃれになっていて驚きました。

友人には、「今更?」と笑われましたが、近年は「東京のブルックリン」とも称されて、人気が高まっているのだそうですね。

古い長屋をリノベーションした工房やカフェなども立ち並び、川向こうのスカイツリーを見上げながら気の向くままにお散歩。

久しぶりに、時間を忘れてゆったりと過ごすことができました。

そういえば、古民家カフェなども各地で人気を集めていますよね。

木造建築の良さが再認識されているのではと感じています。

現在の住宅の多くは、木造・鉄骨造・RC(鉄筋コンクリート)造が主流です。

それぞれに長所・短所はありますが、遮音性が高いのは、RC→鉄骨→木造 の順。

学生時代に住んでいた古い木造アパートは、隣の人の生活音が丸聞こえで、見ているテレビの番組までわかってしまうほどだったのを思い出しました。

今となっては、懐かしい思い出です。

話はずいぶんさかのぼりますが、江戸の頃より、日本の住宅と言えば長屋が主流で、ご近所づきあいが当たり前の時代がありました。

そもそも、プライバシーを気にするような文化ではなかったのでしょう。

椀と箸 持って来やれと 壁をぶち」という川柳に見て取れるように、困った時はお互い様、米味噌の貸し借りやおすそ分けも日常的な時代。

住宅において、遮音性はそれほど求められていなかったと思われます。

木造住宅は「遮音」の面だけを見るとどうしても性能が劣りますが、実は「吸音」は得意だという性質を持っています。

遮音:音声が外部にもれたり内部に入り込んだりしないように遮断すること。防音

吸音:音波を吸収すること。 いずれも広辞苑より

詳しくはこちらをご覧ください。吸音・遮音・防音・・・正しく使い分けていますか?

現代においても、木造住宅のいわゆる「和室」では、畳やふすまなどが使われていることが多いですね。

柱の木材、畳のい草、ふすまの和紙、土壁や砂壁など。

これらの素材は石やコンクリートなどに比べて反響しないため、和室は、実は吸音性が高い部屋なんです。

例えば、畳のように、多くの空気を含んだスポンジのような構造のものは、音を取り込みその中で拡散させることによって、音を吸収しています。

木材も同様に、多孔質な建材です。

低音から高音までバランス良く吸収する働きを持っているため、木造住宅では不快な雑音が吸収され、音がまろやかになるのです。

また、木造住宅は、四季がある日本の風土に実にマッチした建物でもあります。

木材や畳は熱伝導率が低く、吸湿性も併せ持っているため、夏場の室内温度上昇を防いだり、湿度をコントロールするのに長けています。

特に畳のい草は、湿気だけでなく、二酸化窒素やホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着する力も持っていますので、「天然の空気清浄器」などと呼ばれていたりもします。

また、ご存じのように日本は地震大国です。

全世界で起こる、M6以上の地震の20%以上は日本で発生しているというデータがあります。

木材は、湿度によって伸び縮みする性質をもっているくらい、しなやかな建材です。

釘だけに頼らず、木と木を組み合わせて造り上げる建築法なども古くから確立されており、木造住宅の耐震性は、とても高いのです。

現存する世界最古の木造建造物は、奈良県にある法隆寺といわれています。

607年に聖徳太子が創建したと言いますから、築1,300年を超える歴史的建造物です。

そして、現在までM7以上の地震を46回も経験していながら、見事に耐え抜いています。

先日、川向こうに見上げたスカイツリーは、法隆寺の五重塔の耐震構造を参考にしているのだそうです。

1,300年前の技術が、時空を超えて現代に受け継がれていることは、何とも感慨深いですね。

「八百万の神」を信じ、自然を拝み、共に生活してきた古き日本の人々。

現代の私たちが木の建築物自体に敬意や親しみを持つことは、ごく当たり前の感覚なのかも知れませんね。

環境スペースでは、和室や天然素材を生かした防音室もご提案しております。

こんなことできるかな、と悩んだら、お気軽にお問い合わせください。


               

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