本当にあった怖い話?~固体伝搬音には気をつけて!
ここ数年、DIYが大人気ですね。
壁紙を貼り替えたり、スイッチや蛇口などのパーツを交換してみたり、本棚や椅子などの家具を自分で作ってみたり。
ホームセンターや100均などでも手軽に材料が手に入れられるようになったおかげで、インテリアを自分好みにしたり、デッドスペースを活用したりして楽しむ人が急増しています。
中でも人気なのが、2×4(ツーバイフォー)材を柱のように固定して上下に突っ張る便利なパーツ。
壁を傷つけずに釘が使えて、収納棚などが作れることから、賃貸住まいの強い味方となっています。
「ラ○リコ」とか「ディ○ウォール」などが有名ですね。
今回は、この2×4材パーツを使った私の友人が実際に体験したお話をご紹介します。
私の友人(Aさん)は、賃貸マンションの2Fに住んでいます。
1年ほど前からDIYを楽しんでいるAさんは先日も、2×4材を使用して、リビングにディスプレイ棚を作りました。
部屋の雰囲気に合うように木材もペイントして、思い通りの棚ができたと満足していたのですが・・・。
取り付けてしばらくたったある日、Aさんは階下の住民の方から苦情を言われてしまいます。
「言いづらいんだけど、最近、足音がすごく響くのよね・・・」
友人が泊まりに来ていた日もあったし、迷惑をかけたのかも、と思ったAさんは素直に謝罪をし、それから数日、できるだけ音をたてないように静かに生活していました。
ところが1週間ほどたった頃、また同じ方から苦情を言われてしまったのです。
どうもおかしいと思ったAさん。
よく聞くと、Aさんが仕事で部屋を空けている日中にも足音が聞こえることがあるといいます。
不思議に思ってよく調べてみると、何とAさんの上の階(3階)に住む方の生活音が、1階に届いてしまっていたことが判明したのです。
ここまで読んで、ははぁ、と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そう、これはまさしく「固体伝搬音」の仕業でした。
空気伝搬音と固体伝搬音
このブログでも何度かご紹介したことがありますが、音の伝わり方には2通りあります。
1つ目は「空気伝搬音」。
音源から放出された音が空気中を伝わっていく音のことで、音源からの距離が離れるほど減衰します。
壁などの遮蔽物によっても減衰します。
そして2つ目が「固体伝搬音」です。
壁・天井・床に入射した音が物体内を伝搬して空気中に放射する音のことです。
固体は、気体や液体より密度が高いため音を伝えやすいという特性を持っているので、距離が離れていても空気伝搬音ほど減衰しません。
今回のケースでは、3階の部屋で発生した音が固体伝搬音となってAさんの住む2階を通過し、1階の部屋まで到達してしまったことになります。
つまりAさんは、2×4材パーツで床と天井を突っ張ることで、知らず知らずのうちに3階の「固体伝搬音」の通り道を増やしてしまっていたのでした。
ちなみに、このあとAさんは柱にしていた木材を一度真ん中でカットして、2本をジョイントさせるように組み直し、更に、元の場所から少しずらして設置してみたところ、音の伝わりが解消されたそうです。(きちんと調査をしたわけではありませんので、あくまで結果論ですが。)
誤解のないようにお伝えしておきますが、今回はたまたま悪い条件が重なって、Aさんのようなケースが発生してしまっただけで、決して、2×4材を使用した突っ張りパーツの全てが、このような問題が起きるというわけではありませんのでご安心ください。
万が一の時に参考にしていただければと思い紹介させていただきました。
かくいう私も「ディ○ウォール」大活用しておりますが、一切問題は起きていません。
メリットもたくさんあります。
まず、床と天井をしっかり突っ張るため、正しく設置すれば、床置きの本棚などより地震に強い棚を作ることができます。(耐荷重はしっかり確認しましょうね)
そのほかにも、既製品を購入するよりコストを抑えられる壁面収納などスペースを有効活用できる、といった面から賃貸のみならず、持ち家の方からも高い支持を得ているパーツですね。
また、TwitterやInstagramを見ていると、防音パネルや遮音シートなどをうまく取り付けて、防音壁を自作している方も多いようですね。
みなさん、すごく器用でびっくりします。
簡易遮音には一定の効果が見込めますので、賃貸でお手軽に防音をしたい方は試してみるのもいいかもしれませんね。