音の辞典・音に関するマメ知識「あ行」
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- アクティブ騒音制御
- 外部からエネルギーを加えることによって、波動現象を利用して音や振動を制御する。
問題となる音に逆位相の音を付加することによって打ち消す原理を応用し、2次音源(主にスピーカ)を付加することによって騒音を低減する手法。
- 圧縮波
- 狭まっていく波のこと。通常、「圧力波」と呼ばれるものに「圧縮波」と「膨張波」というものがある。圧縮波は、この波が伝播することによりその周囲の圧力を上昇させる波。
- アナログとデジタル
- 時計で話をするなら、アナログは時間の流れに、デジタルは時間の刻みにたとえられる。
しかし、内部の電子回路はデジタルでも表示はアナログ式のものなどがあるため注意したい。
オーディオでは、マイクロホンとスピーカのように、入口と出口がアナログ対応のため、すべてをデジタル化することは困難である。
- 圧力変動
- 音が空気中を伝搬するとき、音は空気をわずかだが振動させて進行する。
このとき、空気圧は高低を繰り返し変動する。
- 暗騒音
- 測定対象がないときのその点の騒音。これが対象の音より十分小さくなければ正しい測定はできない。
- インパルス
- インパルスとは、時間的幅が無限小の短音である。インパルスに対する室内空間の応答を「インパルス応答」といい、時間領域に関る室内音響情報のすべてが含まれる。 インパルス応答から、残響時間、D値(Definition)、C値(Clarity)など、ほとんど全ての室内音響指標が求められる。
- 浮き床構造
- 床の遮音効果を高める目的で用いられる工法。コンクリートスラブなどの床構造体と床材とを離し、間にグラスウールや防振ゴムなどを挟み込み床の音が直接構造体に伝わることを防ぐ。部屋の中にもう1つ部屋をつくり、防振ゴムや浮き床用グラスウール等のクッション材で部屋ごと浮かせる場合もある。「二重床工法」ということもある。
- アンプ
- 音声を増幅する役を持つ機器。
- A特性
- 騒音計による測定に使われる、人間の聴覚を考慮した周波数重み付け特性である。 人間の聴覚は、約1000Hz以下で徐々に感度が下がり、一般的に20Hzを下回ると聞こえなくなる。 同様に高周波音についても、徐々に感度が下がり、一般的に20000Hzを上回る(超音波)と聞こえなくなる。
- A特性レベル
- A特性による補正を施して測定された音圧レベルを、A特性音圧レベルといい、記号LA で表す。
- エコー
- (反響) 直接音と反射音が分離して聞こえる現象。
時間の遅れの長い反射音をロングパスエコー、周期的に繰り返す反射音を多重反射音・フラッターエコーと呼ぶ。
- エネルギ減衰
- 反射面間で発生する多重反射音の大きさは、反射面の吸音によって徐々に失われていく。
音が伝搬するときに生じる距離減衰もエネルギ減衰である。
- NC(noise criteria)
- 会話の妨害を基に定常騒音のオクターブバンド分析値に対して提案した騒音基準
- エフェクタ
- 電子楽器など電気信号に変換された音やマイクで集音された音声に対して、スピーカーまたは録音媒体に至るまでの途中で一定の効果を与え、さまざまな音に変化させるもの。手のひらサイズの「コンパクトエフェクター」、電気録音・PAで使用される「ラックマウント型」、ミキシング・コンソールやシンセサイザー、カラオケなどに内蔵されたものなど多様な形態がある。 機能も多様で、音量が設定した値を超えた場合は音量を絞り過大なレベルにならないよう制御したり、音の歪みを抑え高い平均レベルを引き出すリミッター。 特定の周波数帯域を強調したり減衰させる処理をするイコライザー。 原音に対し残響を加えたり、原音を遅延させた複数の音を時間減衰特性を持たせて混ぜることにより、ホールや浴場のような残響を生み出す機能、リバーブレーター。楽器からの信号を楽器用アンプに入力する前に電気的に増幅し、より大きな音量を得るブースターなど多様な機能がある。
- エネルギ変換
- エネルギがある形態から他の形態に変わること。
音が伝搬するときに空気振動を起こすが、これは音のエネルギから運動エネルギに変換したことになる。
- オクターブ
- 周波数が2倍になるとき、これを1オクターブと言う。
音階の基本で、周波数が2倍になるごとに類似の感覚を生じることからきている。
- オクターブバンド
- 音の音色(周波数特性)を定量的に表すため、音の高さ(周波数)を規則的に分解し配列したもの。
1オクターブバンドとは、31.5Hz、63Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1KHz、2KHz、4KHz、8KHz、16KHz、を中心とする周波数を表したもの。
3分の1オクターブバンドとは、1オクターブバンドのそれぞれ間を3分割した周波数で表したもの。
6分の1オクターブバンドは同様に6分割したもの。
- オクターブバンドスペクトル
- 一般の騒音を分析した場合の分析結果
- オクターブバンドフィルタ
- バンド幅が1オクターブの帯域フィルタ
- オクターブバンドレベル
- 周波数幅すなわち帯域(band)に含まれる音の強さのレベル
- 音
- 音とは、物の響きや人の声、物体の振動が空気などの振動(音波)として伝わって起きる人の超感覚を表す。 人間が知覚できる音の周波数はおよそ20Hzから20kHzまででその範囲をを超えるものは聞こえない。
- 音の大きさ
- 大きい音、小さい音というのは音の主観的感覚上の大小で、客観的物理的な音の強さに関係するが、正確には比例しない。
尺度を実験的に求めて、ラウドネス:音の大きさとよび、単位にソン(sone)を用いる。
- 音の聞こえ方
- 音の聞こえ方は人によって違う。音というのは、ある人にとっては好ましい音でも、他の人には騒音にもなるという主観的なものである。
騒音とは、声や音楽等が伝わるのを妨害する音、生活するのに支障や苦痛を与える音のことを言う。
- 音の高さ
- 連続音に対する音の調子(pitch)の高低。主として周波数に関係し、周波数の大きい音は高く小さい音は低く感じるが、音の大きさや波形の影響も受ける。
- 音の伝わり方
- 「固体伝播音」と「空気伝播音」がある。
- 音の死点
- 反射音が到来せずに音圧レベルが下がる領域
- 音の焦点
- 天井や壁の大きな凹曲面によって反射音が集中して音圧レベルが極度に大きくなる領域を言う。
- 音の速度
- 車の走る速度を車速というが、同じように空気中を音が伝搬する速度を音速という。
常温で毎秒約340メートル。時速に換算すると約1200キロになる。
- 音の発生
- 音は、まず空気のある場所で物が振動すると起こる。物の振動が空気を運動させて音に変換されるためである。
音を発生させるためには空気の他に、発生の元となる「音源」と「空気を振動させるエネルギー」が必要となる。
- 音圧
- 音があると空気の圧力が少しだけ変わる。このほんの少しだけ変化した分の圧力を音圧と言う。
- 音圧レベルと騒音レベル
- 音そのものの強さを人間が扱いやすい単位で表したのが音圧レベル(dB)、音の強さを人間に聞こえる強さに補正して測定したものが騒音レベル(dB(A))である。
- 音階
- 特定の秩序によって、音を順次配列したもの。
- 音響心理
- 音の感性的側面を対象とした人間の感覚。また、音響心理学とは、音の感性的側面を研究対象とした科学。
しかし、この分野を科学的に限定することは困難な問題である。
これは人間の感覚が社会状況によって変化したり、体調によって変化したりするためである。
- 音源
- 音波を発生させるものが音源。ステレオで音楽鑑賞するときの音源とはスピーカーである。発音媒体とほぼ同義。
- 音線法
- 音線法とは、音を可視化してシミュレーションするための方法の1つ。 音源からの音の拡散状況を線で表して可視化する。反射面の位置や向きで変わる伝わり方や、他方向へ出た音との関係などを捉えることができる。
- 音像
- リスナーがステレオ音楽を聴くとき、その左右の音によって仮想現実の音源をつくる。
そこでは実際に誰も演奏していないのに、聴覚の中ではあたかも演奏者が演奏しているように感じられる。
音楽によって演奏者の像が想像できたとき、それを音像という。
- 音程
- 2つの音の高さの隔たりを音程という。音の高さを規則にしたがって正しく配列した音階とは別の用語。
- 音波
- 音は空気の分子を進行方向に前後にゆすり、その分子がバネのように振動して空気中を伝わる。
つまり音が発生することにより空気の圧力変動が起き、進行方向に振動し伝わる縦波のことを音波という。
人間が音を聴くというのは、空気の分子の振動が耳の中にある鼓膜を振動させ、それが何らかの信号に変換されて神経を通り、脳に送られて処理されることで音として感じる。
空気の分子はバネのように押されたり引き戻されたりして空気中を伝わる。 音量がとても大きいと耳から聞こえる音としてだけでなく、体でも空気の振動を感じる。
たとえば近くで花火を見た時、太鼓の音を聞いた時、耳だけでなく体に響く空気の振動として感じるような場合である。