音の辞典・音に関するマメ知識「か行」
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- 会話影響防止
- 会話影響に関する知見から、1mの距離でくつろいだ状態で話して、100%明瞭な会話了解度を確保するためには、一般地域、道路に面する地域を問わず、通常の場合、屋内で騒音レベル45dB以下であることが望ましいとされている。
- カクテルパーティ効果
- 二つ以上の音源が同時に提示されたとき、着目する音源のみを選択的に聴取できること。
カクテルパーティのような騒がしい環境で、聴きたい人の声だけを聴き取れることからこの名前が付けられた。
それぞれの音源に対して両方の耳で知覚される音の空間的方向と距離の違い、音の大きさ、ピッチ、音色など、音源の特性そのものの違い、また声の場合は、言語的知識、相手の口の動きなどの視覚的情報や経験などが関係しているとみられている。
- カラレーション
- 直接音と反射音が干渉して音色が変化する現象で、中・高音域で多重反射が起きている室内等で発生しやすい。
- 気積
- 場所の床面積×高さのことで、ホール等では室容積÷客席数で求める。部屋の響きの長さに関連し、コンサートホールでは10?程度が適切といわれる。
- 吸音
- 材料または物体によって音響エネルギーの一部が熱に変換される散逸現象。
吸音により音の響きが大きく変わる。響きが長いときに吸音材を使って響きを調整したり抑えたりする。
- 吸音材料
- 音のエネルギを減衰・消滅させる建築材料。材料に入射した音は、材料の板振動や空気の粘性によって減衰・消滅する。
吸音材(グラスウール等)と言うと、単純に音を吸い取って音量を下げてくれるもののように思いがちだが、これは大きな間違い。
吸音することによって音圧はわずかに下がるが、遮音には効果がないといってよい。音は、壁を通過して材料の中で消滅するか、または減衰せずにそのまま壁を通過してしまうかもしれない、これは「音が漏れている」つまり、遮音にはなっていない、ということである。
- 吸音材料と吸音構造
- 材料自体に吸音性能がある材料が吸音材料。
多孔質材料(グラスウール、ロックウール等)。 一方、材料自体に吸音性能はほとんどないが、組み合わせにより吸音性能を持たせる構造をいう。
代表はあなあき吸音構造、板状吸音構造
- 共鳴と共振
- 空洞の一部に開口部をもつものが、外部からの音によって口元の空気が激しく振動することを「共振」といい、その周波数の付近で音が発生する現象を「共鳴」という。
- 近隣騒音
- 生活を通して発生する多種多様な音。工場や工事と違い、規制値の定めがない。商業宣伝の拡声器、飲食店の営業騒音、家庭のピアノ、テレビ、エアコン、ペットの鳴き声などがある。 近隣騒音の特徴は、近隣間の問題としてあらわれ、誰でも被害者にも加害者にもなる可能性がある。
- 空気伝播音
- 空気中を伝わって耳に届く音のこと。ジェット機や自動車の音、楽器の音や人の声、雷、クラクションなどがこれにあたる。
空気伝播音を防ぐには、より重くより厚い材料を選ぶ、隙間をなくす、壁や窓を二重にする、などの方法がある。
- グラスウール、ロックウール
- ガラス繊維や岩綿繊維をマット状やボード状に成型したもの。多孔質吸音材として幅広く使用される。圧縮成型することで強度や弾力が生まれ、浮き床構造のクッション材として使用される。
- 固体伝搬音
- 床や壁などの固体を伝わって聞こえてくる音のことで、2階の足音やスピーカーなどの振動音、電車やトラックの振動、トイレの排水音などがこれにあたる。
糸電話は固体伝播音のもっともわかりやすい現象で、100m以上離した糸電話でも十分聞こえるという実験報告もある。
これを防ぐには、コンクリートの造りや梁など建物構造を強くする、カーペットなどにクッション性のある材料を使う、浮き床にして構造体と離す、などの方法がある。
- 固有周波数(振動数)
- 固有の振動数とは単位時間に振れる回数のことで、あらゆる物に固有の振動数(周波数)があり、その振動数で揺すられるとその物は強く反応して激しく揺れるが(共振)が、固有振動数から大きくずれた力を加えてもほとんど反応しない。
- コインシデンス効果
- ガラスなどの剛性材料に、ある周波数の音波が入射すると、その材料の屈曲振動と入射音波の振動とが一致し、一種の共振状態を起こす。この現象をコインシデンス効果という。