音の辞典・音に関するマメ知識「さ行」
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- 最適残響時間
- まずその室が何に用いられるかを決定し、その使用目的とその室の容積から、目標とすべき最適残響時間とその周波数特性を決定する。
室の用途が多目的の場合は目的に応じて残響時間を変えたいという希望も出るだろうが、音質の点では、空気層を深くとったカーテンの開閉が無難といえよう。
- ささやきの回廊
- ドーム状の建物の内部などで、壁際で発した音声が曲面状の壁や天井で反射されて遠くまでよく伝わり、遠いところで意外なほどよく聞こえる現象。
反射音が凹曲面に沿って反射を繰り返し遠方まで伝わる。
ロンドンのセントポール寺院などが有名である。
- 残響
- 音源が停止した後に室内に音が残る現象。残響により音楽などには余韻が加わるので、コンサートホールなどでは適度な残響が必要であるが、一方残響が長すぎると、話し声などの明瞭性が損なわれる。
- 残響時間
- 残響時間とは、残響の長さを定義し、定量化したものをいう。響きの長さを表す指標で、音響エネルギーの密度が百万分の一(60dB)まで減衰する時間。
つまり音源が停止したあと、音圧レベルで60dB減衰(小さく)するのに必要な時間のことで、単位は秒。残響は音に豊かな響きを与えるので、音楽演奏にはかなり長い残響時間が好まれるが、講演や会話の場合は残響時間が短いほど明瞭度がよくなる。
従って、室の使用目的によって残響時間の最適値は異なる。
- 室内の響き
- 室内の響きとは、音が消え失せるまでの時間であることから、人間の聴覚では「残響感」として扱われる。
- 磁気録音
- 映画の音声をフィルムに記録したり、戦争時の音声をテープに記録することを主なテーマに進歩してきたが、家庭にオーデオが導入されると共に爆発的に普及した。
現在では、プリペイドカードなどの磁気記録媒体によってますます社会性をもつに至っている。
- 遮音
- 外部の音が聞こえてこないように、また、音が外に漏れないようにさえぎること。
- 遮音性能
- 遮音性能の単位は、D-○○という言い方をする。一般に鉄筋のマンションは、D-45~50程度の遮音性能なので、例えば100dBの音を出したとすると50~55dBの音が 隣戸や上下階に伝わることになる。望ましい遮音性能は、最低でもD-65、D-70以上。たとえば壁だけ、床だけに防音工事をしても、結局遮音できずに不満が残る話をよく聞く。
施工後に音響測定器で測定・判断し性能を満たしているかどうか確認してくれる業者に依頼することが望ましい。
- 周波数
- ものが周期的に繰り返し運動するときに、1秒間に繰り返す回数を周波数という。単位はHz。
音の分野でいう周波数とは、空気中の圧力変動が1秒間に繰り返される回数をさす。空気がゆっくりと振動する場合は低音になり、早く振動する場合は高音になる。
- 消音器
- 音が伝搬する途中に装備することによって、音を軽減する装置。主として送風機やエンジンなどの排気系の途中に装備し、騒音を軽減する。
- 睡眠影響防止
- 睡眠影響に関する多くの科学的知見から、騒音の発生が不規則・不安定である一般地域においては、睡眠影響を生じさせないためには、室内でオーバーオール騒音レベル35dB以下が望ましいとされている。しかし、高密度道路交通騒音のように騒音レベルが連続的・安定的である場合には、40dBが睡眠影響を防止するための上限であるとされている。
- 質量則
- 緻密で均一な材料からできている壁体の透過損失は、その壁体の単位面積当りの質量(m)と、音の周波数(f)の積の対数値との間の直線関係がある。この関係を質量則と言います。
- 声域
- 各声域ごとの代表的な歌手は次の通り。
・テノール パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラス、モナコ
・バリトン プライ、カプッチッリ、ヌッチ
・バス ギャウロフ、ネステレンコ
・ソプラノ カラス、フレーニ、キアーラ・メゾソプラノ コリット
- 声紋
- 人間の声の個人的特徴を、音響測定器によって科学的に分析したもの。指紋と同様に、個人差を確認することが可能。
- 粗密現象
- 音が発生すると、空気はわずかだが振動する。このわずかな振動により空気が押され密集して、圧力の高い部分ができる。
圧力の高い部分は、隣の空気を押すため、また圧力の高い部分ができ、さらにまた隣の空気を押す・・・・・。
この繰り返しで音が伝搬していく。
圧力の高い部分の周りは、空気がまばらな(粗)の部分ができる。このように、空気の密の部分と粗の部分が交互に生まれ、波のようにして音は伝わる。
- 騒音
- 音の聞こえ方は、人によって違う。音というのは、ある人にとっては好ましい音でも、他の人にはうるさい音にもなるという主観的なものである。
我々の周りの音は大まかに「必要な音」と「それ以外の音」の2つに分けることができる。
この「それ以外の音」すなわち、不必要な音、不快な音、邪魔な音、好ましくない音などが一般に騒音と称される。
したがって、聞く人が「必要でない」と感じることによってその音は「騒音」となる。
よい音楽、感動的な話でも、聞いている人には楽しく感動的でも、それらに興味のない人、勉強している人、あるいは寝ようとしている人にとっては騒音であり、うるさくて困ることもあるというわけである。
- 騒音計
- 騒音計は、日本工業規格(JIS)によって規格化されており、正しく測定することが義務づけられている。一般には「普通騒音計」を用いるが精度が要求される場合には「精密騒音計」が用いられる。
- 騒音レベル
- ジェット機の離陸などの聴力機能に障害がでるほどの音で130dB、プロのピアノ演奏で100dB、ボーリング場や交通量の多い道路で80dB、昼の住宅地レベルが40dB、きわめて静かな木の葉のそよぎ程度が20dBである。