音の辞典・音に関するマメ知識「た行」
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- 太鼓現象
- 太鼓は、上下にぴんと張った皮をたたき、真中の空洞に音を反響させて、たたいた反対側に大きく響かせる楽器である。たたいた側より反対側により大きな音がするのは、たたいたポイント(音源)から音が空気層を伝わり音を広げるためである。
しかし、たたいた面に触れていれば、音の伝わり(音の響き)は少なくなる。
えてして住宅にはこのような構造になっている壁や天井が多い。中が空洞なために、大きく響かせることを目的とした太鼓と同じ働きをしていて、隣や上下の部屋の方がかえって大きく聞こえてしまう。これを『太鼓現象』と言う。
- 第一波面の法則
- 音の到来方向に関す聴感的先行音効果。直接音に続き同じ音源から出た反射音が全く違う方向から到来しても、遅れ時間がある程度短ければ直接音に同化して聞こえる。 話声音のPAでは、スピーカー音を直接音10~40ms(ミリセカンド)遅らせれば、10dB程度まで、先行音効果のある増幅が可能である。
- 聴覚
- 人間が感じる感覚には、視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚があり、これを五感という。このなかで、人間が音として認識する感覚を聴覚という。
- 超音波
- 周波数が16kHzを超える音波のこと。
人間が聴くことの出来る周波数の上限を超えた領域の音ではあるが、音響測定器でその音を収音することで、多くの情報を得ることが出来る。
海底測深や魚群探知機など、用途は広い。
- 超音波加工
- 超音波を振動に変えることによって利用できるようになった加工技術。単なるドリル以上に、繊細な加工が可能。
- 直接音
- 音が伝搬する際、まっすぐ最短の時間で到来する音。
音源とリスナーを直線で結ぶ経路で到来する音。
この音で、音の方向がわかる。
- 聴覚閾値
- 低周波音の聞こえ始める値、すなわち聴覚閾値は、1/3オクターブ中心周波数ごとに表すと下記(表)のようになる。
中心周波数 [dB] 20 25 31.5 40 50 63 80 AP
(a)閾値 [dB] 78 68 59 51 44 38 32
(b)A特性補正閾値 [dB] 27 23 20 16 14 12 9 30
- 超低周波音
- 周波数がおよそ1~20Hzの耳に聞こえない音波のことである。音ではない。ただそれだけである。したがって、測定器で測定してみなければその存在はわからない。
- 超低周波音の感覚閾値
- 周波数の10Hzの超低周波音の感覚閾値は、音圧レベルおよそ100dBであることが知られている。したがって、各周波数の感覚閾値を求めるとおよそ下記(表)のようになる。
中心周波数 [dB] 20 25 31.5 40 50 63 80 AP (a)閾値 [dB] 78 68 59 51 44 38 32 (b)A特性補正閾値 [dB] 27 23 20 16 14 12 9 30
- 定在波
- 逆方向に進行する同一周波数の音波が、互いに干渉し合い音圧レベルが極大と極小になる現象。
防止には、室の3辺の寸法比が簡単な倍数比にならないように構成する。
- 低周波音
- 周波数が少ない音、高周波音は周波数が多い音であるが、多い、少ないという用語の意味には高い、低いという意味がある。例えば低賃金(少ない賃金)などである。 これから周波数の少ない音を低周波音、多い音を高周波音というわけである。
- デシベル(dB)
- 音の強さのレベルを表す単位。音の波音の振幅の大きさをレベルで表したもの。
音の強さは、空気の圧力変動の大きさによって表されるが、この方法によると、扱う数が大きくなりすぎるため、対数を用いて扱いやすい単位にしたもの。
一般に、人間が聴取する音の大きさは、0dBから140dBの間にある。
- デッドエンド・ライブエンド
- スピーカ周りを含む部屋の前方を反射面、後方を吸音面とする方式で、ライブエンド・デッドエンド方式を呼ばれている。 音響材料配置を逆転させたもので、デッドエンド・ライブエンド方式、あるいは提唱者の名前をとってドン・デイビス方式などと呼ばれている。
- ドン・デイビス方式
- デッドエンド・ライブエンド方式の提唱者の名前をとった呼び方。
- 等価騒音レベル
- 環境基準は、8時間中、騒音が短時間しか出なかった場合や、騒音が一定ではなく変化する場合には、その騒音のエネルギーを8時間で平均して、平均のエネルギーに相当する騒音レベルで表すことになっている。 この騒音レベル(エネルギー)を等価騒音レベルという。
- ドップラー効果
- オーストラリアの物理学者C.J ドップラーが、光の波動現象から相対運動を発見したもので、同様の音の現象のことを「音のドップラー効果」という。