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防音とは

防音とは

音が外に漏れるのを防いだり、外からの音を遮断したり、あるいは音を小さくさせるような何らかのしくみを総合して「防音」と呼んでいます。いわば、「概念」です。
その概念を具体化するにあたって、必要な対策が「遮音」や「吸音」といった手段になります。
防音では「遮音」や「吸音」といった明確な方法論について、「音」をどのくらい止めたいのかなどのGOALを設定し、必要な素材や、設置方法を検討します。

防音とは
目次

防音の前に音の伝わり方を知る
〜空気伝搬音と固体伝搬音

  • ■空気伝搬音の防音対策
     ・遮音
      効果的な遮音(密度)
     ・吸音
     ・図:メカニズムでわかりやすく解説
  • ■固体伝搬音の防音対策
     ・図:メカニズム
    わかりやすく解説
  • ■防音の手段を設定する
     ・どんな音をどのくらい止めたいのか?
     ・時間帯も合わせて考える
  • ■どんな音をどれだけ防音する?
     ・音の大きさを数値化して、合理的に防音する
     ・設計までのステップ
  • ■音を数値化する→こちら
  • ■防音だけでは、良い音空間はつくれない
     ・音は止められても、それだけでは心地よい音空間とはいえない。
      音の波長が整えられていない防音空間では、音はノイズ化する可能性がある!?
     ・どうすればよいか?


防音の前に音の伝わり方を知る

〜空気伝搬音と固体伝搬音


音の伝わり方には2通りあります。
1つは「空気伝搬音」。音源から放出された音が空気中を伝わっていく音のことで、音源からの距離が離れるほど減衰し、壁などの遮蔽物によっても減衰するのが特徴です。
1つは「固体伝搬音」。壁・天井・床に入射した音が物体内を伝搬して空気中に放射する音のことです。固体は、気体や液体より密度が高いため音を伝えやすいという特性を持っており、距離が離れていても空気伝搬音ほど減衰しないのが特徴です。


空気伝搬音の対策

遮音

「遮音」とは、読んで字のごとく、「音」を「遮(さえぎ)る」ことです。
音は「空気」あるいは「個体」を伝わってきます。
空気中を伝わってくる音(空気伝搬音)を「跳ね返して」音を遮断するのが「遮音」ということになります。跳ね返す=遮音する「モノ」は、住宅で言うならば壁や扉、窓等になります。音の一部は壁などを通り抜けて反対側へ抜けて行きます。閉め切った部屋に外からの音が聞こえたり、中から外に音が漏れてしまうのは、このようにはね返せずに透過する音があるからです。

遮音には、密度=質量が必要
遮音をするために効果的な素材の特徴は、「密度が高く、重い」ということです。
物理学的に言うと「単位面積あたりの質量が大きい」と表現され、この質量が大きいほど跳ね返す効果も大きいので遮音性能も高くなります。
右の図は質量の大きい素材から表示されている「素材の質量表」です

また室内だと、音が跳ね返る(=反響する)ことによって聞き取りにくくなるリスクも考えられます。
必要以上の反響を抑えるために、次の「吸音」が必要になってきます。




吸音

防音としての吸音
「吸音」とは、「音」を「吸う」ことです。空気中の音は、「多孔質」と呼ばれる細かい穴のたくさん開いた素材によって吸収されます。和室の畳や襖などは吸音性の高い素材にあたります。
ただこちらも、全部の音を吸収できるわけではなく、一部は反射し、一部は透過することになります。
音の吸収(=吸音)を物理学的に説明すると、「多孔質素材の内部で音エネルギーが熱エネルギーに変換されて減衰」します。



音響としての吸音
音響をよくするとは、「反射音をどのように設計するか」によります。
反射したくない特定の音の周波数を吸音するときに、この吸音は必要になってきます。 
詳しくは音響のページをご覧ください。
音響としての吸音とは



固体伝搬音の対策

壁・天井・床に入射した音が物体内を伝搬して空気中に放射する音のことです。
固体は、気体や液体より密度が高いため音を伝えやすいという特性を持っており
距離が離れていても空気伝搬音ほど減衰しないのが特徴。



固体伝搬音・例
■床に設置している楽器から(ピアノやチェロ・スピーカーからの重低音など)伝搬する音
■壁・天井・床に入射した音が物体内を伝播して(放射して)伝わる音
■振動を伴う重低音




固体伝搬音を制御するためには、遮音や吸音の対策の他に、
防振構造をとる必要があります。
これを「遮音・防振構造=浮遮音層」といいます。

防音の手段を設定する

〜どんな音をどのくらい止めたいのか?
 時間帯も合わせて考える

防音をする為には、まず遮音をすることが基本となります。
同時に「どのくらいの音をどのくらい止めたいのか?」を特定して、遮音の具体的精度を計画します。この時、時間帯も考えましょう。
そして、更に吸音という手法も組み合わせることによって効果の高いかつコストパフォーマンスのある「防音対策」ができるようになります。

また、固体伝搬音の振動を抑える「制振」や「防振」などを考慮することによって、より精度の高い防音が可能になります。

この組み合わせが適切に、効果的になるよう考えて設計していきます。


どんな音をどれだけ防音する?

〜音の大きさを数値化して、合理的に防音する

音の大きさは、数値化することでわかりやすく
確実に適切な防音の効果を得ることができます。



設計までの音環境のステップ

Step-1
 音源(止めたい音)は何でしょうか?
 あなたが奏者なら、ご自身が奏でる音の音圧(どれくらいの音)を知ることから始まります。

Step-2
 次にどのくらい止めたいか?を設定します。
 時間帯も考えましょう。
 ここで透過してもOKな音の大きさを数値化します。

Step-3
 その場所=環境の騒音特色を数値化します。

Step-4
 防音だけでは、音はノイズになるかもしれない。
 音の波長を整える=音響設計をどうするか考える

音を数値化する

単位:dB(デシベル)

木の葉が触れ合う音:20dB
室外機の音:35dB
テレビの音(通常):50dB
掃除機・ドライヤーの音:70dB
ピアノの音:90dB
カラオケ(通常〜シャウト):95~120dB
Game配信時の興奮時やジェットスターでの叫び声:100~115dB
エレキギター・ドラム:120dB

*振動の数値化は別途


防音だけでは、良い音空間はつくれない

・音は止められても、それだけでは心地よい音空間とはいえない。
 音の波長が整えられていない防音空間では、音はノイズ化する可能性がある!?
・どうすればよいか?

 拡散体・吸音体を取り付ける
 他に重要なポイントは?

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