人々が集い、心地よい響きが広がる印象的なライブハウス
お客様データ概要
お客様名 | ミュージックバー・ アン・ルーリー様 |
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用途 | ライブハウス |
広さ | 約76㎡ |
建物構造 | SRC造 |
施工日数 | 1ヵ月半 |
施工エリア | 東京都 |
防音室を作ったきっかけ
お客様は若いころ、ご夫婦で経営するギターやキーボードのあるお店でアルバイトをなさっていました。将来、こんな音楽のあるお店をやりたい、とその頃から漠然と思っていらっしゃったそうです。元々歌うことが好きで、ライブや弾き語りのできるお店にもよく遊びに行っていたこともあり、お店を持つなら楽器が演奏できるお店を、という長年の夢をついに実現させることができました。
お客様の要望
来店される方々がステージで気軽に歌や楽器を演奏して楽しめるお店にしたいということで、ステージの設置をご希望でした。防音の性能ももちろんですが、内装デザインについて明確なイメージをお持ちでした。お客様が以前よく通われていたお店のような、60~70年代のアメリカの雰囲気を出したいというご希望がおありでしたが、弊社の設計担当者が偶然にもその店の設計に携わっており、スムーズに意思の疎通ができました。
解決方法
実は、当初は別のビルの3階にある物件を検討なさっていたのですが、防音構造を作るには荷重がかかりすぎてしまうことをご説明し、改めて現在の地下の物件にお決めくださいました。防音工事というのはとても専門性の高い工事ですので、しくみや工事の方法などを丁寧にわかりやすくご説明いたしました。また、イメージを掴んでいただけるよう、実際に防音の体験もしていただきました。
遮音性能については、測定から性能値のシミュレーションを行って適切な防音対策方法をご提案いたしました。ビル上階のテナント様にもご協力いただいて測定データの取得や音の確認などを行うことで確実に音漏れを防ぐとともに、万が一トラブルが発生した場合でもスムーズに対応できるように関係性の構築にも努めました。
内装デザインにはこだわりをお持ちでしたので、イメージカットやスケッチなどをなるべく多くご用意し、視覚的にデザインのご提案をいたしました。
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実際にご提案したスケッチの一例
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実際にご提案した図面の一例 ①
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実際にご提案した図面の一例 ②
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実際にご提案した図面の一例 ③
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実際にご提案した図面の一例 ④
測定資料遮音性能シミュレーションデータ
ご成約
様々な角度・視点からご提案をさせていただき、
お客様のご要望通りのデザイン・性能でご成約となりました。
実施設計開始
施工開始
施工中の様子
※クリックで画像の全体を表示できます
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1.解体工事
Box in Boxの浮き構造を作るためには、既存の床・壁・天井を解体する必要があります。
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2.解体工事
既存の床・壁・天井を解体してスケルトンの状態にします。ここから防音構造を組み上げていきます。
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3.防水工事
厨房やトイレなどの水回りを保護するために、ウレタンで防水処理をしていきます。
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4.防水工事
貫通部の防水処理は特に入念に行います。
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5.固定遮音層工事(壁)
遮音効果のある石膏ボードを貼っていきます。
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6.固定遮音層工事(壁)
石膏の芯にガラス繊維などを加えて耐火性能や耐衝撃性能を向上させた強化石膏ボードを採用しました。
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7.浮遮音層工事(天井)
建物の躯体から浮かせた構造にするため、天井に浮遮音層を造るための下地工事を行います。
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8.浮遮音層工事(天井)
LGS(Light Gauge Steel 軽量鉄骨)で下地を組んでいきます。このあと、防振ゴムのついた吊金具で浮天井を吊っていきます。
竣工時測定報告書(サンプル)
施工担当者からのコメント
演奏を聴きに来た方から「音がいい」と言っていただけていると伺い、私も嬉しく思います。防音工事は音を漏らさないだけでなく、演奏する方と聴く方が気持ちよく音楽を楽しめるような音響設計(音源の種類や空間の広さ、形状に応じて音の響きをコントロールすること)も重要だと考えているからです。
配管の関係で出来た段差に厨房カウンターをうまく配置して、ステージがよく見渡せるように設計しました。また、立ち見のお客様のために、ちょっとした肘掛けを壁に設置しました。自分がライブを見に行った時に、あったらいいなと思ったものを取り入れさせていただいたのですが、とても喜んでいただけました。
余談ですが、紫色が好きなお客様のため、オープン祝いに紫の花をご用意したのは私の完全なる自己満足です(笑)